飲食店での資金管理の方法について解説していきます。現金扱いはなくならない最近ではキャッシュレス決済(クレジットカード、QRコード決済など)の利用が進んでいます。経済産業省の調査によれば、決済額の約4割はキャッシュレス決済になっています。しかしながら、裏を返せば、約6割は現金決済のままです。今後もキャッシュレス決済の利用率は上がっていくものと考えられますが、依然として現金決済の比率は高く、現金決済がないものとして業務フローを考えることは現実的ではありません。支払いはキャッシュレス決済にする売上としてお客様からいただく代金については、お店側として選択の余地がありません(お客様に委ねるしかありません)。しかし、仕入や経費の支払いについては、一部の例外を除き、キャッシュレス決済に寄せることが可能です。キャッシュレス決済を利用して、法人名義の銀行口座(個人事業主の場合は、事業用の銀行口座)を通して支払いを行うことで、「銀行口座の残高さえこまめに確認すれば資金管理が可能」という状況にしていくことが望ましいです。現金での売上についても、レジのお釣り資金を除き、銀行口座へ預け入れ(入金)をこまめに行います。現金でなければいけない取引現金特価の扱いのある仕入先や、町内会費など、一部の取引は現金でなければいけないものもあるでしょう。また、釣り銭を用意するために、あえて現金で取引を行いたい、という事情もあるかもしれません。そのため、すべての支出をキャッシュレス決済にすることは不可能です。しかし、かなり限定的にはできます。この状況を目指していくべきだと考えます。こうした少数の現金取引については、領収書を必ず保管する必要があります。決済手段ごとの売上把握はマスト売上の管理方法については、様々な方法があります。ラーメン屋のような業態では食券制とすることもありますし、喫茶店・居酒屋といった業態ではレジシステムを導入することもあるでしょう。資金管理という観点では、決済手段ごとの売上高を容易に把握できるようにしておくことが重要です。もっとも、経営上の観点から、売れ筋商品を把握するために、商品別の売上高や、曜日、天候、性別、年齢等々を把握できた方が良いことは言うまでもありません。おわりに飲食店では、現金での決済が避けられないことを発端に、資金管理が杜撰になってしまうことが多くあります。西原会計事務所では、お客様個別のご事情をお伺いしながら、最適な資金管理の方法をご提案いたします。こうした日々の業務にまでは立ち入らない税理士も多いですが、その点は当事務所の特徴でもありますので、お困りの際はぜひ一度お声がけいただければ幸いです。